「半球睡眠」脳の一方が眠り、一方は覚醒している状態は人にも起こっているのか。パーキンソン病では、非運動障害として睡眠障害が挙げられる。長期に渡り正常な睡眠がとりにくい状態の患者も多いとされ、疾患固有の睡眠に関する研究も多くあるが、服薬の種類・病状の進行の個人差など勘案する要素が多く、心地よい目覚めの睡眠から遠ざかっている。
ポイントは、脳の活動が必ずしも一枚岩ではないということだ。ここで、アザラシやイルカなどの海洋哺乳類を思い浮かべてほしい。彼らは眠っている間にも泳ぎ続け、けっして溺れ死んだりはしない。それは、彼らが「半球睡眠」を行っているからであり、脳の一方が眠り、もう一方が生存に必要な機能を実行しているからである。