湘南地域在住 パーキンソン病と日々向き合う患者家族の会

2020/11/17

神経炎症を抑制する新規化合物「アルジャーノン2」を発見-京大

event_note11/17/2020 editBy Shonan Nagisa


アルジャーノン2はPDモデルマウスでドパミン神経細胞の脱落を緩和

今回、研究グループは、神経変性疾患の進行に関与する神経炎症を抑制する化合物アルジャーノン2を取得した。神経炎症により引き起こされるパーキンソン病モデルマウスにおいてアルジャーノン2の 薬効を評価したところ、アルジャーノン2投与

によりミクログリアの活性化が抑制され、ドパミン神経細胞の脱落が緩和された。また、アルジャーノン2によりサイトカイン産生が抑制され運動機能の回復も観察された。このことからアルジャーノン2は神経炎症を抑制し神経細胞死を抑制していると考えられた。

移植されたiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞の生存率も改善

そこで研究グループは、組織移植時に起こるとされている炎症・免疫応答が緩和されることを期待し、iPS細胞から作製したドパミン神経前駆細胞の脳への移植時にアルジャーノン2を投与した。その結果、アルジャーノン2投与により移植されたドパミン神経前駆細胞の生着が促されていることを発見。以上の結果から、アルジャーノン2は活性化したミクログリアからのサイトカイン産生を抑制することで神経炎症を抑制し、神経細胞死を抑制すると考えられた。 

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